【名大数学】”確率”が出る確率は85.7%!?

分野分析

2003年~2023年の21年分を分析

当ブログでは、2003年から2023年までの名古屋大学理系の入試数学を分析しています。

過去問の問題文をデータ化し、統計を取ったり文字列を抽出したりすることで、効率的な学習方法を皆さんにお届けいたします。

”確率”が出る確率は驚異の85.7%!?

名古屋大学の特徴として、確率分野の問題が多く出題されます。

2003年から2023年の21年間のうち、2011年・2014年・2023年を除いた18年間で出題されております。なので、18/21=0.857より、85.7%の確率で出題されているとわかります。

各年の問題を記しますので、ぜひ取り組んでみてください!答えがどうなるかではなく、傾向を掴むために問題文をきちんと咀嚼してください。

”確率”の効率な学習法提案

名古屋大学の確率分野の出題傾向はズバリ、
【問題文を長文にしてややこしくしているが、それほど難しくない】です!

なので、長文の問題をしっかり読み、落ち着いて解く力を養うために、
【時間制限を設けずに問題文通りに試行しながら解く】ことをお勧めします!

よくわからないゲームを題材にする問題が多いので、例えば、一定の確率で石を置くという問題であれば実際にモノを置きながら、試行しながら、じっくりと取り組んでみてはいかがでしょうか?

問題文
20033サイコロを回投げて、3の倍数回出る確率をPn(k)とする.各nについて,Pn(k)を最大にするkをN(n)とする.ただし,このようなkが複数あるときは,最も大きいものをN(n)とする.(1)Pn(k+1)/Pn(k)を求めよ.(2)n≧2のときN(n)/nを最小にするnと,そのときのN(n)/nの値を求めよ.(3)lim(n→∞)N(n)/nを求めよ.
20041サイコロの出た目の数だけ数直線を正の方向に移動するゲームを考える。ただし,8をゴールとしてちょうど8の位置へ移動したときにゲームを終了し,8をこえた分についてはその数だけ戻る.たとえば,7の位置で3が出た場合,8から2戻って6へ移動する.なお,サイコロは1から6までの目が等確率で出るものとする.原点から始めて,サイコロをn回投げ終えたときに8へ移動してゲームを終了する確率をPnとおく.(1)P2を求めよ.(2)P3を求めよ.(3)4以上のすべてのnに対してPnを求めよ.
20054整数に値をとる変数xの値が,以下の規則で変化する。(i)ある時刻でx=m(m≠0)のとき,1秒後にx=m+1,x=m-1である確率はともに1/2である。(ii)ある時刻でx=0のとき,1秒後にx=1である確率はq,x=-1である確率は1-qである(0≦q≦1).x=0から始めて,n秒後(n=0,1,2,…)にx=mである確率をPn(m)とする.(1)p3(1)+p3(-1)を求めよ.(2)すべての自然数nに対し次がなりたつことを示せ:どんな整数mについてもPn(m)+pn(-m)はqにはよらない.(3)pn(0)を求めよ.
20064正六面体の各面に1つずつ、サイコロのように、1から6までの整数がもれなく書かれていて、向かい合う面の数の和は7である.このような正六面体が底面の数字が1であるように机の上におかれている.この状態から始めて、次の試行を繰り返し行う.「現在の底面と隣り合う4面のうちの1つを新しい底面にする。」ただし,これらの4面の数字がa1,a2,a3,a4のとき,それぞれの面が新しい底面となる確率の比はa1:a2:a3:a4とする.この試行をn回繰り返した後,底面の数字がmである確率をpn(m)(n≧1)で表す.(1)n≧1のとき,qn=pn(1)+pn(6),rn=pn(2)+pn(5),sn=pn(3)+pn(4)を求めよ.(2)pn(m)(n≧1,m=1,2,3,4,5,6)を求めよ.
20075袋の中に赤と黄と青の玉が1個ずつ入っている。「この袋から玉を1個取り出して戻し、出た玉を同じ色の玉を袋の中に1個追加する」という操作をN回繰り返した後,赤の玉が袋の中にm個ある確率をpN(m)とする.(1)連比p3(1):p3(2):p3(3):p3(4)を求めよ.(2)一般のNに対しpN(m)(1≦m≦N+1)を求めよ.
20085袋Aの中に赤玉と白玉がそれぞれ4つ入っていることと,袋Bの中に赤玉3つと白玉2つが入っていることが分かっている.(1)袋Bから2つの玉を取り出すとき,取り出される赤玉の個数の期待値を求めよ.(2)袋Aから3つの玉を取り出し,そのあと袋Bから2つの玉を取り出す.その5つの玉のうち赤玉が3つである確率を求めよ.(3)袋Aから3つの玉を取り出したあとで、2つの玉を袋から取り出すかあるいは2つの玉を袋Bから取り出すかのどちらかを選択できるとする.できるだけ多くの赤玉を取り出そうと選択したとき,最終的に取り出される赤玉の個数の期待値を求めよ.
20094さいころを投げると,1から6までの整数の目が等しい確率で出るとする.さいころをn回(n=1,2,3,・・)投げるとき,出る目の積の一の位がj(j=0,1,2,…,9)となる確率をpn(j)とする.(1)p2(0),p2(1),p2(2)を求めよ.(2)pn+1(1)を,pn(1),pn(7)を用いて表せ.(3)pn(1)+pn(3)+pn(7)+pn(9)を求めよ.(4)pn(5)を求めよ.
20103はじめにAが赤玉を1個,Bが白玉を1個,C青玉を1個持っている.表裏の出る確率がそれぞれ1/2の硬貨を投げ,表が出ればAとBの玉を交換し、裏が出ればBとCの玉を交換する,という操作を考える.この操作をn回(n=1,2,3,…)くり返した後にA,B,Cが赤玉を持っている確率をそれぞれan,bn,cnとおく.(1)a1,b1,c1,a2,b2,c2を求めよ.(2)an+1,bn+1,cn+1をan,bn,cnで表せ.(3)an,bn,cnを求めよ。
20123nを2以上の整数とする。1からnまでの整数が1つずつ書かれているn枚のカードがある。ただし,異なるカードには異なる整数が書かれているものとする。このn枚のカードから,1枚のカードを無作為に取り出して,書かれた整数を調べてからもとに戻す。この試行を3回繰り返し,取り出したカードに書かれた整数の最小値をX,最大値をYとする。次の問に答えよ。ただし,jとkには正の整数で,j+k≦nを満たすとする。また,sはn-1以下の正の整数とする。(1)X≧jかつY≦j+kとなる確率を求めよ。(2)X=jかつY=j+kとなる確率を求めよ。(3)Y-X=sとなる確率をP(s)とする。P(s)を求めよ。(4)nが偶数のとき,P(s)を最大にするsを求めよ。
201313人でジャンケンをする。各人はグーチョキパーをそれぞれ1/3の確率で出すものとする。負けた人は脱落し,残った人で次回のジャンケンを行い(アイコのときは誰も脱落しない),勝ち残りが1人になるまでジャンケンを続ける。このとき各回の試行は独立とする。3人でジャンケンを始め,ジャンケンがn回目まで続いてn回目終了時に2人が残っている確率をpn,3人が残っている確率をqnとおく。(1)p1,q1を求めよ。(2)pn,qnがみたす漸化式を導き,pn,qnの一般項を求めよ。(3)ちょうどn回目で1人の勝ち残りが決まる確率を求めよ。
20154数直線上にある1,2,3,4,5の5つの点と1つの石を考える。石がいずれかの点にあるとき,石が点1にあるならば,確率1で点2に移動する.石が点k(k=2,3,4)にあるならば、確率1/2で点k-1に,確率1/2で点k+1に移動する.石が点5にあるならば,確率1で点4に移動する.という試行を行う。石が点1にある状態から始め、この試行を繰り返す。また,石が移動した先の点に印をつけていく(点1には初めから印がついているものとする)。このとき,次の問に答えよ。(1)試行を6回繰り返した後に,石が点k(k=1,2,3,4,5)にある確率をそれぞれ求めよ。(2)試行を6回繰り返した後に,5つの点すべてに印がついている確率を求めよ。(3)試行をn回(n≧1)繰り返した後に,ちょうど3つの点に印がついている確率を求めよ。
20163玉が2個ずつ入った2つの袋A,Bがあるとき,袋Bから玉を1個取り出して袋Aに入れ,次に袋Aから玉を1個取り出して袋Bに入れる,という操作を1回の操作と数えることにする。Aに赤玉が2個,Bに白玉が2個入った状態から始め、この操作をn回繰り返した後に袋Bに入っている赤玉の個数が個である確率をPn(k)(n=1,2,3,…)とする。このとき,次の問に答えよ。(1)k=0,1,2に対するP1(k)を求めよ。(2)k=0,1,2に対するPn(k)を求めよ。
20172下図のような立方体を考える。この立方体の8つの頂点の上を点Pが次の規則で移動する。時刻0では点Pは頂点Aにいる。時刻が1増えるごとに点Pは,今いる頂点と辺で結ばれている頂点に等確率で移動する。例えば時刻nで点Pが頂点Hにいるとする1と、時刻n+1では,それぞれ1/3の確率で頂点D,E,Gのいずれかにいる。自然数n≧1に対して,(i)点Pが時刻nまでの間一度も頂点に戻らず,かつ時刻nで頂点B,D,Eのいずれかにいる確率をpn,(ii)点Pが時刻nまでの間一度も頂点Aに戻らず,かつ時刻nで頂点C,F,Hのいずれかにいる確率をqn,(iii)点Pが時刻nまでの間一度も頂点Aに戻らず,かつ時刻nで頂点Gにいる確率をrn,とする。このとき,次の間に答えよ。(1)p2,q2,r2とp3,q3,r3を求めよ。(2)n≧2のとき,pn,qn,rnを求めよ。(3)自然数m≧1に対して,点Pが時刻2mで頂点Aに初めて戻る確率smを求めよ。(4)自然数m≧2に対して,点Pが時刻2mで頂点Aに戻るのがちょうど2回目となる確率をtmとする。このとき,tm<smとなるmをすべて求めよ。
20184図1のように2つの正方形ABCDとCDEFを並べた図形を考える。2点P,Qが6個の頂点A,B,C,D,E,Fを以下の規則(a),(b)に従って移動する。(a)時刻0では図2のように点Pは頂点Aに,点Qは頂点Cにいる。(b)点P,Qは時刻が1増えるごとに独立に,今いる頂点と辺で結ばれている頂点に等確率で移動する。時刻nまで2点P,Qが同時に同じ頂点にいることが一度もない確率をpnと表す。また時刻まで2点P,Qが同時に同じ頂点にいることが一度もなく、かつ時刻nに2点P,Qがともに同じ正方形上にいる確率をanと表し,bn=pn-anと定める。このとき、次の問に答えよ。(1)時刻1での点P,Qの可能な配置を、図2にならってすべて図示せよ。(2)a1,b1,a2,b2を求めよ。(3)an+1,bn+1をan,bnで表せ。(4)Pn≦(3/4)^nを示せ。
20194正の整数nに対して1,2,…,nを一列に並べた順列を考える。そのような順列はn!個ある。このうち1つを等確率で選んだものを(a1,a2,…,an)とする。この(a1,a2,…an)に対し,各添字i=1,2,…,nについて,aiの値がjであるとき,そのjを添字にもつajの値がkであることをai=j→aj=kと書くことにする。ここでai=j→aj=k→ak=l→…のようにたどり、それを続けていく。例えば(a1,a2,a3,a4,a5,a6,a7)=(2,5,6,1,4,3,7)のとき,(i)a1=2→a2=5→a5=4→a4=1→a1=2(ii)a3=6→a6=3→a3=6(iii)a7=7→a7=7となり,どのiから始めても列は必ず一巡する。この一巡するそれぞれの列をサイクル,列に現れる相異なる整数の個数をサイクルの長さと呼ぶ。上の(i),(ii),(ii)は長さがそれぞれ4,2,1のサイクルになっている。(1)n=3とする。選んだ順列が長さ1のサイクルを含む確率を求めよ。(2)n=4とする。長さ4のサイクルを含む順列をすべて挙げよ。(3)n以下の正の整数kに対してsig(j=k,n)1/j>log(n+1)-loqkを示せ。(4)nを奇数とする。選んだ順列が長さ(n+1)/2以上のサイクルを含む確率pはp>log2をみたすことを示せ。
202042名が先攻後攻にわかれ、次のようなゲームを行う。(i)正方形の4つの頂点を反時計回りにA,B,C,Dとする。両者はコマを1つずつ持ち,ゲーム開始時には先攻の持ちゴマはA,後攻の持ちゴマはCに置いてあるとする。(ii)先攻から始めて、交互にサイコロを振る。ただしサイコロは1から6までの目が等確率で出るものとする。出た目を3で割った余りが0のときコマは動かさない。また余りが1のときは、自分のコマを反時計回りに隣の頂点に動かし,余りが2のときは、自分のコマを時計回りに隣の頂点に動かす。もし移動した先に相手のコマがあれば,その時点でゲームは終了とし,サイコロを振った者の勝ちとする。ちょうど回サイコロが振られたときに勝敗が決まる確率をpmとする。このとき,以下に答えよ。(1)p2,p3を求めよ。(2)pnを求めよ。(3)このゲームは後攻にとって有利であること,すなわち2以上の任意の整数Nに対してsig(m=1,[(N+1)/2])p2m-1<sig(m=1,[N/2])p2mが成り立つことを示せ。ただし正の実数aに対し[a]は,その整数部分(k≦a<k+1となる整数k)を表す。
202131から12までの数字が下の図のように並べて書かれている。以下のルール(a),(b)と(終了条件)を用いたゲームを行う。ゲームを開始すると最初に(a)を行い,(終了条件)が満たされたならゲームを終了する。そうでなければ(終了条件)が満たされるまで(b)の操作を繰り返す。ただし,(a)と(b)における数字を選ぶ操作はすべて独立な試行とする。(a)1から12までの数字のどれか1つを等しい確率で選び,下の図において選んだ数字を丸で囲み、その上に石を置く。(b)石が置かれた位置の水平右側または垂直下側の位置にある数字のどれか1つを等しい確率で選び、その数字を丸で囲み,そこに石を移して置く。例えば,石が6の位置に置かれているときは,その水平右側または垂直下側の位置にある数字7,8,9,10,12のどれか1つの数字を等しい確率で選び,その数字を丸で囲み、そこに石を移して置く。(終了条件)5,911,12の数字のどれか1つが丸で囲まれ石が置かれているゲームの終了時に数字jが丸で囲まれている確率をpj,とする。以下の問に答えよ。(1)確率p2を求めよ。(2)確率p5とp11を求めよ。(3)確率p5,p9,p11,p12のうち最も大きいものの値を求めよ。
202221つのサイコロを3回投げる。1回目に出る目をa,2回目に出る目をb,3回目に出る目をcとする。なおサイコロは1から6までの目が等しい確率で出るものとする。(1)ab+2c≧abcとなる確率を求めよ。(2)ab+2cと2abcが互いに素となる確率を求めよ。

※問題文をすべて文字で表示していますので、わかり辛い箇所があります。ご了承ください。
※記号などは以下を参照してください【vec(OA)=OA,pi=円周率,abs(a)=aの絶対値,sig(k=a,b)=kをaからbまで足し合わせ,lim(n→a)=nをaに飛ばした時の極限,int(a,b)=aからbの範囲での積分】
※本ブログでは問題の傾向を見て、効率的にこれからの学習を進めていくために役立てていただくことを目標としています。ですので、解答は掲載しておりません。

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